古風な装丁な一冊の本。中には何も記されていない。
「いにしえ」と名が付く割にはそれを示すのは外観だけであろう。
しかし、古き冒険者達が迷宮を探索する為に愛用されていた史実は散見に容易い。
何故に愛用されていたかは、あなたの手で確かめて欲しい。
何ら特徴もないただの羽ペン。飾りのリボンにも特に呪術的な力は見受けられない。そのシンプルさこそが逆に信頼に足る道具として、長く愛用されて来たのであろう。それに価値があるのはペンではなく、ペンに記された貴方の足跡なのだから。このペンで価値ある冒険を記してみたいと夢みた冒険者は星の数ほどいたに違いない。